photo by Lucy
“殿”プロフィール:
本名:加藤良紀。プロボクシングの角海老宝石ジムトレーナー。
矢沢永吉とガソリン(?)とピンクが好き。
日本チャンプとなった阿部弘幸(現在は同ジムにトレーナーとして所属)らを育成、指導者としての力量を発揮。現在、平野博規、久永志則、金沢知基選手ら次世代を担う若手A級ボクサーの育成に力を入れている。
- 灰二:
- 久しぶりだねぇ。
- 殿:
- ご無沙汰しています。
- 灰二:
- ジムは忙しい?
- 殿:
- はっ、それなり……ですかね。
- インタビュアー:
- お二人の出逢いは?
- 灰二:
- けっこう古いんだよね、最初はなんだっけ?どっかの LIVE だった?
- 殿:
- E子さんに連れられて新宿のどこかのライヴハウスに見に行ったのが最初だと思います。
- 灰二:
- あっ、ロフトか?
- 殿:
- 詳しくは覚えとらんのですが……新宿だったと思います。
- 灰二:
- そうそう、今はなき(小滝橋通り時代の)新宿ロフトの LIVE だよ。たまたま共通の知り合いがいたんだ。そっか。
- 殿:
- それで灰二さんが格闘技が好きだって聞いて今度、後楽園ホールで試合があるからよかったら来てくださいって事になったんですよ。
- 灰二:
- その時はもう試合してたんだっけ?
- 殿:
- ワタシはプロテスト受かったくらいですからもう15、6年前ですかね。デビュー戦はまだでした。
- 灰二:
- そっかぁ……、そんなになる? よく後楽園に通ったなぁ(笑)。
- インタビュアー:
- 初対面の印象は?
- 灰二:
- この面構えでしょ、すげぇ怖い顔してんなぁ……って。
- 殿:
- いやぁ、今でもこの顔でみんな怖がってモテませんわ(笑)。
- インタビュアー:
- 灰二さんの印象はどうでした?
- 殿:
- はい、バンドをやっておられる方なんだな……と。
- 灰二:
- はい、やってます(笑)。殿のジムの後輩というか友人関係がまたいいんだよ。「軍団」と呼んでるんだけど(笑)、これがいいやつばかりで。
- 殿:
- バカばっかですわ(笑)。
- 灰二:
- 今となってはそれぞれの道にバラバラになったけどあの頃はみんなの試合見に行って燃えたなぁ。
- 殿:
- 応援ありがとうございます。最近になってまた趣味でジムに来たりしとる者もいます。
- 灰二:
- ボクサーは怪我があるしね。選手期間は限られているし。網膜剥離で試合が出来なくなったりとかドラマがあったねぇ……。
- 殿:
- はい。
- 灰二:
- 殿なんかは普段から体重しぼっているから試合当日はあんまり顔とか変わらないけど、Kとかはすごかったねぇ! 10キロくらい落としてリングに立つから誰だかわかんないよっ(笑)。。
- 殿:
- あれは一週間前でも8キロオーバーしとりましたからね(笑)。
- 灰二:
- ボクサーの減量はすごい。
- 殿:
- 落とさんと試合出来ませんからね。
- 灰二:
- いつも思ってたんだけどさ、俺たちは LIVE が終わったらまぁ打ち上げがあってみんなでワイワイ飲んで帰るじゃない。ボクサーは試合後、飲めないからねぇ。お疲れさまって酒もつげない。毎回試合後、四谷で打ち上げ?したじゃない。選手は後から当然来るんだけど顔が腫れてたり、テーピングしてたり……。その上、酒も飲めなくてさ。ある意味で本当に「お疲れさま」なんだよな。
- 殿:
- そうですね。
- 灰二:
- ボクサーって試合が終わったらすぐに帰れるの?その日の最後の試合まで帰れないの?どういうシステムなの?
- 殿:
- 自分たちの(自分のジム)興行の時はもちろん最後までおります。そうでない時はドクターチェックが済み次第で帰れます。
- 灰二:
- そうか。
- インタビュアー:
- 何か想い出のエピソードとかありますか?
- 灰二:
- あるある。あれは渋谷 La.mama だったよ、うん。軍団がほぼそろって見に来てくれててさ、俺らの LIVE 中に誰か知らないヤツが水の入ったコップを客席からステージに向けて投げたの。当然よけたけど(笑)、そしたらバラバラに見てた軍団のやつらがみんな瞬時に振り返って、誰だか(犯人を)探そうと思ったんだろうね。客席がものすごい「殺気」なんだよ(笑)。
- 殿:
- ありましたねぇ(笑)。
- 灰二:
- LIVE 後、「すいません、見失いました」ってマジで謝られて……(笑)。
- 殿:
- たぶん N とか Y じゃないですか?
- 灰二:
- そうそう。いやぁ……モノを投げられた事よりあいつら(軍団)がすごくてびっくりしたよ。
- 殿:
- 灰二さんになにかあったら大変だ(笑)!
- 灰二:
- その血気盛んなふたりも今は穏やかなもんだ。
- 殿:
- N は結婚しましたし、Y はただのデブですからね。
- 灰二:
- Y は一週間ビールを止めただけで10キロ体重が落ちたって豪語してたよ。どんな飲み方してるんだ、アイツは(笑)。
- 殿:
- いやぁ……ただのデブです。
- 灰二:
- でもさ、どんなに食って飲んでも100キロを超えられないって言ってたじゃない。97キロが限界だって(笑)。
- 殿:
- ……バカッ(笑)。
- 灰二:
- ジムにさ、いわゆる道場破りみたいのとか来ないの? なんか昔言ってたじゃない。
- 殿:
- 前のジムはありましたねぇ。自信あるからすぐ(試合を)やらせろ! とか。でもたいがいリングに上がって玉砕ですわ。ケンカとボクシングは違いますからねぇ。あと自己流でずっとやってましたってヤツも基本を直すと全然ダメで、そう言うヤツは次に(ジムに)来ることはないです。
- 灰二:
- ふ〜ん。
- 殿:
- いろんなヤツがおりますよ。
- 灰二:
- 殿は今、何人くらい教えてるの?
- 殿:
- 16、7人……くらいですかね。
- 灰二:
- やっぱり教えていて相性とかある?
- 殿:
- ありますね。それにこいつは天才肌だなとかこいつは地道に努力せんと……とか。
- 灰二:
- 誉め延びタイプとか・・・ね。
- 殿:
- そうそう。
- 灰二:
- H 選手の入場の時に俺の曲をかけてくれたね。そう言えば殿と言ったら元祖「かつらボクサー」だからね(笑)。
- 殿:
- アハハハ。
- 灰二:
- 誰よりも派手なパフォーマンスで入場だったからな。10人近く並んでかつらかぶってヒゲダンスで入場だったもんね。
- 殿:
- バカですっ(笑)。
- 灰二:
- 灰二さんもどうです、一緒に……ってやるわけないでしょ(笑)。
- 殿:
- ええっ、そんな事言いましたっけ?
- 灰二:
- 誘われた(笑)。
- 殿:
- スイマセン……。
- インタビュアー:
- 灰二さんはボクシングジムへ習いに行こうとは思わなかったんですか?
- 殿:
- 来てくださいよ。ちゃんと指導しますから(笑)。
- 灰二:
- うわぁ減量が……(笑)。やってみたいとずっと思っているんだけど。思ってはいるんだけど。やったら面白そうだとは思っているんだけど(笑)。
- 殿:
- いつでもOKですんで。
- 灰二:
- ……(小声で)そのうち(笑)。
- 殿:
- 灰二さんはステージの上と普段がかわらんですね。
- 灰二:
- そ、そう? 何? 急に……(笑)。
- 殿:
- よくおるでしょう? ステージはかっこいいんだけど普段あったらとんでもないって言うか、がっかりするっていうか……。
- 灰二:
- あぁ、そう言う意味ならあんまり変わらないね。よく言われる。
- 殿:
- いつ会っても変わらないなぁ……と。
- 灰二:
- 最近、酔っぱらいます(笑)。朝まで飲んでもそうそう乱れなかったんだけど……最近は危ないっ(笑)。
- 殿:
- えっ、見たことない。じゃぁ今度みんなで酔っぱらいましょう! 是非。
- 灰二:
- そう言われると絶対酔わないよ、俺は(笑)。
- 殿:
- 見たいなぁ。
- インタビュアー:
- そろそろ殿さんがお時間ですので……。
- 灰二:
- (時計を見て)あっ、そーか。え〜っと、真面目に、今後の目標とかは? やっぱりチャンピオンを育てる事?
- 殿:
- 出したいですねぇ……。灰二さんは?
- 灰二:
- THE VANILA をどうするかでしょ。音も録りたいし。秋頃にはまたイベントやるから見に来てよ。……あっ、夜はジムか。
- 殿:
- 軍団が行きますよぉ。早く聴かせてください。
- 灰二:
- えっ? あぁ音源ね。聴いてください。
- 殿:
- お互い身体に気をつけて頑張りましょう。
- 灰二:
- うまくまとめたなっ。うん、次回は「飲み」で。
- 殿:
- やりましょ、K の店でやりましょ。ガソリンいれましょう!
(都内某所にて)