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インタビュアー:
「出会ってから一緒にやるようになるまで何年くらいかかったんですか?」

灰二:
4年くらい?

伊藤:
かな? 俺がビーツを辞めたころには(灰二は)もう、THE VANILA をやってたからね。

灰二:
当時、ギタリストは俺の同郷のヤツだったんだけど、(ビーツを辞めた)伊藤くんがどうしても入りたい、と。しかもギターで入りたい、と。

伊藤:
それで、その同郷のギタリストに辞めてもらったんです。灰二じゃなくて当時は部外者だった俺が。「彼は上手い。でも俺のほうがいいよ」って。ひどい話だよね。

灰二:
当時の俺が求めていた音ではなかったって話でもあるんだけど。

伊藤:
あのころ、俺はロクにギターなんか弾けないわけ。(ジュンスカでもビーツでも)本職はベーシストですからね。でもイメージはあったの。「THE VANILA はこうなるといいだろうな」っていう。あのころは自分のイメージ以上のプレイをしてくれるギタリストなんかいなかったからさ。今なら(大槻)隆がいてくれるんだけど(笑)。

灰二:
でも当時、伊藤くんのすごかったのは誰よりも早く、シンセで打ち込みとかやってた。

伊藤:
とっととやってたからねえ。音楽で稼いだ金でシーケンサーとかシンセとか買ってたからなあ。Mac での打ち込みはビーツ時代にエンジニアの新銅“V”康晃さんの仕事を見てたし。

灰二:
俺からすると「これはすごい! 同期ってなあに?」みたいな。

伊藤:
THE VANILA じゃああんまり打ち込みとかは使ってなかったけどね。まあ、とにかく当時はメンバ−として入ることが決まってからギターの練習を始めたりしてた。「なんちゃってギター」だよ。ひどいよね。

灰二:
でもそのあたりからワンマン LIVE とかやるようになったんだよ。

伊藤:
俺が LIVE で佐野元春の曲をカヴァーで唄ったりとか(笑)。ありえねえ。

灰二:
下北沢シェルターで、ワタナベ・アコースティック・ユニット、伊藤バンド、THE VANILA の三部構成でイベントやったときだね。しかもアンコールの最後の最後ってさ、普通はみんなの聴きたそうな曲をやるじゃん? 違うの。バンドが自分たちのやりたい曲、しかも Waterboys の“Whole Of The Moon”のカヴァーとか平気でやっちゃうの(笑)。

伊藤:
Doors の“Break On Through”とかもやったなあ。

灰二:
やったねえ。そいで、あんまり聴きたくない話だろうけど、伊藤くんはその時のイベント LIVE の次くらいに THE VANILA から脱退してるからね。ワンマンやって、これから盛り上がるぞーって時に。

伊藤:
いや、本当に申し訳ないんだけどさ、あの頃の俺は本当に精神的にもよくない時期で。ひどい時期だった。なんかね、音楽でちゃんとメシを食おうとか、余計なことをいろいろ考え始めちゃってたんだよ……今、何言っても言い訳にしかならんな。

灰二:
それはさ、二十代後半に差しかかるときに、これから自分はどうなっちゃうんだろうって誰でも思うからさ。そりゃ俺はさ、ヴォーカリストだから、ここでやっていくしかないわけだけど。