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SPECIAL >> Interview: The Wells 馬越秀生さん&灰二対談(5/5)

 
インタビュアー:
当時の曲を今やってみてどうですか?
馬越:
僕が一番問題になってる。っていうか一番問題なのは「言葉(歌詞)」だから。それを言葉を使うのは俺でしょ。たとえばある言葉で俺は一番音楽から離れていたわけでその俺がこの言葉を使って説得力があるのかな?とか。あるでしょ?それを俺は思うの。
灰二:
THE VANILA でもそれはあるよ。これはもう歌えない、言葉的に無理ってものはあるでしょ。今はそんな事考えてないしって歌詞は歌わない。
馬越:
20代の気持ちと40代の気持ちってどうかって事だよね。
灰二:
変わらない想いはある。一生歌い続けたい歌詞はある。
馬越:
楽器の人はメロディを演奏していて歌詞とかはもう抜けているところもあるでしょ。100回も1000回もやってる曲に関して歌詞はきかないところがあるでしょ。だから選曲にあたってこの曲は40代がやるのはあまりにも……って場合はすぐにカットするけれど微妙な位置にある曲とかはねぇ。聞いている側にもリアルじゃないものは伝えたくないし……。う〜ん、難しい。ニュアンス的な話になるけど。
灰二:
ただ今の自分の解釈で伝えなおすって事はあると思う。
馬越:
うんうん。人に聞こえ方が違うからね。
灰二:
聞く方もそれぞれの状況に合わせて聞くから、歌う方も今の状況で伝えていかないとね。
馬越:
ビーチボーイズのように腹をくくればそれはそれだし。
インタビュアー:
今後のThe Wellsはどういう風になっていくと思いますか?
馬越:
簡単に言えば、昔の僕たちと今の僕たちのバランスだよね。どう融合させていくか。
灰二:
この年から始めるんだから、今やり始めた事が10年後に完成してこれなんだ、もあるし10年たって「これになりました」でもいいんじゃないの。なんにもかわんないヤツもいるし。
馬越:
それはロッカーというくくりにおいてはかなりカッコイイね。深いところに行くとさとってもビジネスになっちゃうし、嫌なんだけどね。音楽ってなんでもありでいてそうでないところがあるし。ただ言えるのは今はそういう音楽じゃないところが楽しめるから。人に気を使いたくないけど、でも沢山の人に見てもらいたいし。もう悩むことはないけど考える事は楽しい。そう、そんな考える事が楽しくなるようなスタンスでその、バンドが出来ればいいなとは思います。
灰二:
時代によってやりかたはあるよ。
馬越:
でもさ、基本的に俺らはアップテンポだってのがあるから。
灰二:
そうだね(笑)。
馬越:
何でもあり、やったもん勝ち。それってあるね。そういう世界だからね、音楽は。それを聞く人がどうとらえるかだけ。ほんのちょっとのスイッチで人は変わるからね。見に来てくれる人は。音楽って自分たちで作っていいって思ってから今度はそれを人に聞かせるまでにまた考えなくちゃいけないじゃない。それをそのままでも良しとする人もいるけど。
灰二:
今後の The Wells の未来形を馬越君自身、個人的にはどう思っているか聞きたいな。
馬越:
話の流れのままなんだけど、昔10年前にやってた The Wells のイメージがあってそれはそのまんまの事はこれからやっていけないって事はみんなわかっているんですよ。みんな見に来てくれる人たちに対して新しいものというか今の自分をどこまで100%見せれるかっていう事を目標にやっていかないとならないし、新しいお客さんにその新しい魅力をどう見せるか。それにつきると思います。やっぱり12、3年前の亡霊に取り憑かれているってところもあると思うし、ただそれを求めている人もいると思うし。
灰二:
うん。
馬越:
ただそこと今との共通点と違う部分みたいな所をきちんとどう表現できて宣言できるか。それが出来れば面白いと思うし。ただね、スタジオで単純に昔の曲をやると盛り上がるし楽しい。それは人に見せてないから(笑)。超盛り上がってる。「あぁ〜!」みたいな。でもさ、人の前に出ることを考えれば「俺は40越えた人よ」みたいな。そこら辺のせめぎ合いじゃないかなぁ。自分と、自分たちとの。なんかそういう部分でしょ。
インタビュアー:
では、4月19日の下北沢 club251でのイベントに向けて一言ずついただけますか?
馬越:
今度はね、その新しい部分を20%くらい見せられたらと。80%はご期待通りで!
灰二:
それは攻めてるの?
馬越:
うはははは……攻めてる。
灰二:
俺としても The Wells とやるのは楽しみなんで。
馬越:
どっちにしても楽しいことは楽しいんだよね。
灰二:
ギタリストの、腕回し族の新旧対決も楽しみだし、ただの同窓会のりだけじゃなくてね。
馬越:
そうそう。ははは……。楽しみですっ!
灰二:
それじゃ当日、よろしくお願いしますっ。

(2007年03月 アイリッシュ・パブ@虎ノ門にて)

※ 取材当日はセント・パトリックス・デイ
店内はアイルランドを象徴する色、緑色のものを身につけるというお約束。この日は誰でもが「アイリッシュ」となり、楽しんでいます。